生前対策・贈与

2022.06.22

相続時精算課税制度の活用例

普通の、所謂、暦年贈与では、その年の1月1日から12月31日の1年間にもらった財産の合計額から、基礎控除額110万円を差し引いた額に対して贈与税がかかります。
もちろん、贈与者が複数の人である場合でも、その合計額に課税されます。

ところが、「相続時精算課税制度」では1対1の贈与関係として、祖父母が孫に両親が子にといったように直系尊属から直系卑属に贈与すれば、それぞれ1対1の間で非課税枠の2,500万円が適用できます。
また、この場合、年をまたがって何回贈与しても合計額2,500万円までは非課税となります。

ただし、「相続時精算課税制度」を適用して贈与された財産は、将来の相続開始時の税額計算の際に相続財産に持ち戻して計算しなければなりません。

そうなると、結局は相続対策の効果がないのではないかと思われるかもしれません。しかし、持ち戻して計算する際には「贈与した時の価格」で相続財産として計算されます。
となると、「贈与した時の価格」より「相続時の価格」が値上がりしていた場合は、思わぬ節税になることがあります。

このように将来値上がりしそうな財産があれば、今のうちに「相続時精算課税制度」を使って贈与しておくことをお勧めいたします。
当然、好業績の自社の株式を子供などに移転すれば活用効果が享受できます。

このように、将来の値上がりが高確率で見込める土地や株式、高収益を生む賃貸物件などは、「相続時精算課税制度」を活用して贈与をしておくのも良いかも知れません。
特に、相続税がかからない人であれば、「相続時精算課税制度」を活用すれば、生前の贈与が実質的に無税にできて、収益物件などを生前に贈与しておけば、その収益を相続人に移転できるメリットがあります。

この記事を書いた人

松本 岩光

松本 岩光

税務署に約40年間勤務した知識と経験を生かして、お客様のニーズにお応えします。お客様の不安や疑問に親切・丁寧にお答えして質の高いサービスを提供して参ります。

カテゴリからコラムを探す
初回無料相談受付中

9:00-17:00(土日祝対応可)

初回無料相談受付中